就活は成績順とか思ってる人間は新卒一括で死に絶えます(就活日記)

※多分に闇が入っているのでネガティブなものを見たくない人は見ないでください!

就活!!

題名の通り、そんな時代はもうとっくの昔に終わったことを伝えます。私は、技術立国としてやっていきたいなら悪手だと考えますがそれはさておき

就活なー、本当になー、うん、はい

本当に就活は終わっていると感じた(n=1)ので、26卒以降の人に、どういうものかお伝えします。二度と新卒一括就活はしたくありません。

  1. 推薦制度は形骸化しています。「推薦書を出すとその人は自由応募できない」という足かせを企業側が逆に良いように使っています。推薦という名の自由応募→この人いいじゃん→推薦書も出せるの?いいね、推薦出してくれるならうちに来てよ(出さないならここで終わりです)。という感じです。学生側が圧倒的に弱いですね。制度設計のミスです。*1
  2. 大学の地位は死にました。先生が一声出せば通るみたいなことはもうありません。研究室で研究以外のことも色々頑張れば、下積みが認められて良いところにいけるということはありません*2。雑用を一切任せられない雰囲気になるほどに研究で突き抜けられなければ、学部修士で研究はほどほどに、あるいはフリーライドし、企業研究、ES研究した人間が勝ちます。おしまい。*3

※紆余曲折ありまして、私自身は運よく良いところに拾って頂きました。

スペック:

・AP・SCは持ってました

修士

・みんな大好きGPA: 3.7/4、良くわからん優秀賞は取りました。

・国内学会発表・学会論文5本くらい

・査読0←ここダメ

ES、通らないもの

ESはたくさん(5,6)落ちました。なぜか。

  1. 学部・修士専門と関係がないところに行こうとした。
  2. 結論から書いていない
  3. 分かりやすい実績がない(査読
  4. 自分のスキルをあなたの会社でどのように活かせるかを伝えきれていない

順に述べます。

インターンは3週間くらいの長期1、1週間くらいの短期1行きました(この2つは別業界です)。この2社は特に志望度が高く、特段問題なく内定を頂きました。

1. 学部・修士専門と関係がないところに行こうとした。

だって色々楽しそうなんですもの。仕方ないよね。

学部・修士で全く異なることを学んでいるのに希望を出されたら、担当者側はどうして?となります。これを納得させるだけの何かを伝えないといけなかったんですね。

それを面倒だと思うなら学部選択の時点で自分のなりたい職業に有利な学部を選びましょう。私としては副専攻取得と、何故それを取ったのかの経緯を伝えたつもりでしたが不足していたようです。

面倒と思わなくても限られた字数をこの説明で幾分使うので不利になります。

この点でとにかく良い大学を云々言う受サロはマジで有害なので気を付けましょう。

2. 結論から書いていない

以下の文章のどちらが読みやすいですか?

1. 智乃ちゃんは可愛い。以下の2点でそう感じる。1点目は彼女の性格である。普段は大人びているが、時々甘えたがりな一面を出すところに可愛さを覚える。その生い立ちから、彼女は頑張って大人びようとしている。しかし、母親気質のココアの前では甘えたがりな一面を出してしまう。2点目は彼女の笑顔である。彼女の落ち着いた笑みにはどことなく可愛さを感じる。口角を上げ、口を大きく開けて笑わず、お淑やかに優しく笑う姿には可愛さを感じる。

※大きく笑えないのは可哀そうでもあるが

2. 智乃ちゃんはその生い立ちから普段は大人びようと頑張っているけれども母親気質のココアの前では甘えたがりな一面を出してしまうこと、大きく口を開けて笑わずお淑やかに優しく笑うことから可愛いと感じる。

 

アカデミアな人々は、読みやすさ的にはぶっちゃけ1,2あんまり変わらんと思います。ただ、構成的には1の方がいいよねと。そう思うような(特に理系の)アカデミアな人々は基本的に文章の理解力が凄まじく高いと考えてください。前の情報をためておける脳のワーキングメモリが大きいとも言います。

ESを見るのは一般的には企業の人事の人です。人事の人が理系のアカデミア出身ということは日本ではまずないでしょう。そういう人が、一回で、一読で分かるような文章を書くべきです。

貴方がどれだけ優秀であろうと、向こうの人は(多分)「この人、経歴は優秀だけどなんか文章がとんでもなく読みづらいな。一方でこっちの人は少し経歴は落ちるけど、読みやすくて思いやりのある文章だな。後者を取った方が周囲と上手くやってくれそうだ。後者を取ろう。」とか考えます。(多分?)日本なので。

私でも、一日で何千ものESを見なければならない立場になったら前置修飾されまくりの長ったらしい文章のESを見たらその時点でもうマイナス評価をつけるでしょう。

3. 分かりやすい実績がない(査読とか)

※私は査読何本書きました! を就活のアピールとして広く使わないでほしいかなと思います。アカデミア外の人は9割9分知らないと思いますが、査読って無給なんですよあれ。これ以上アカデミアに負荷をかけてほしくないです。私の分野において、修士で(しゃんとしたところに)査読を書けるというのは、9割は運です。論文化する時間がなく卒業した先輩の研究をそのまま論文にする、博士の方の業績の一部を譲り受けて論文化する、プロジェクトに入っていてその成果の一部を論文化するなどのパターンが考えられます。

 

↑はさておき、貴方が就活でアピール項目を増やしたいならば、

  1. 高い出張費を払って・いい研究テーマを配って、国際学会参加をさせてくれる*4
  2. 査読論文を卒業までに必ず書かせるように指導してくれる

ような研究室に行くべきでしょう。間違っても先輩のおもりをさせるような、世界大学ランキング上げのための雑務をやらせるようなところに入ってはいけません。*5

どうすれば回避できるのか、できたのかを列挙します。

  1. サークルの先輩で、「この人は自分と同じ方向性で、すごい熱量がある」と思う人に話を聞いてみて下さい。どうしてその研究室を選択したのかを聞いてみて下さい。
  2. 「B4で学会発表、M1で査読・国際学会発表」している生徒の「割合」を計算してください。高ければ、その研究室が組織的にそういう「方針」を取っていることが多いと考えます。

あたりでしょうか。

4. 自分のスキルをあなたの会社でどのように活かせるかを伝えきれていない

時事ネタです。

  1. 日経産業新聞電子版を購入し、ネタを見つけてください。
  2. ニュースを見てください。
  3. ビズリーチとかで内部の人にアポ取って話を聞きに行ってください。

はい、こんなところでしょうか。

愚痴、ぐーちぐち

経団連インターンを本選考に使ってよいという声明を出したことによる就活の早期化で、日本の大学教育はこれからより一層死に絶えます多分。特に理系。3年生から実験が本格化して、平日は実験に授業予習復習、週末はレポートで徹夜みたいな生活を送るのに、ここにさらに就活が来るとかもうおしまいです*6

ちなみにアカデミアはもっと終わってます。資産数億ありますとか、実家がよほど太い人以外は行ったらダメだと思います。最悪人生詰みます。生存バイアスに騙されてはいけない。*7

 

ということで、就活をしたい人が取るべき最善手は、

  1. 小学校時代から家の人に何らかの分野で特化した教育を受けておく。←これが無いともうつらいです。↓にかかってくるので。*8
  2. 中高時代に↑の教育を元に何らかの成果を出す。ここで有名人になっておけるといいですね。色々箔が付きます。良い大学への推薦も狙えます。数学オリンピック情報オリンピック物理オリンピックなどで成果を出しておくと良いでしょう。勿論、自分のなりたい道に合わせて、音楽コンクール優勝やインターハイ優勝、なんでも良いです。
  3. 大学では適当にやる気のある人間に乗っかってなんか成果出す。ボランティア活動してました!コンクールで入賞しました!なんでも良いです。ただし、いわゆる陽キャ趣味の方が良いです。最近は「あなたを良く表現する写真を載せよ」というESを課されることが多いので。*9
  4. 成績はなんとも言えないラインで十分。GPA 4なら3から3.5くらい。これくらいが一番コスパいいと思います。3.5から上は飛んでもないプレッシャーと戦わないといけません。*10 そのくせしてGPA3前半の人間と同じくらいの扱いを受けます。
  5. ここまでで得た人脈、実績あらゆるものを駆使して長期インターンに通す。長期インターン選考は早ければ学部2年末の冬から始まります。修士卒ならば学部4年末の冬からです。それくらい早期化しています。インターンに行ってない人も取りますーなんてのは嘘です。企業は6,7割方はインターンから取ります。通らなければ残りの3割くらいの枠を奪い合う本選考頑張って下さい。インターン面接の前に、必ず、その企業のインターンに行った人、またはその企業の中の人に模擬面接をしてもらってください。なぜならライバルは皆それをやっているから。そんな人がいないよという人もあきらめるのはまだ早いです。ビズリーチキャンパスを使ってその企業の人全員にダメ元でアポを取ってみましょう。応えてくれる学生思いの人が必ずいます。
  6. インターンに通ってからが本番です。周囲もインターンを通してきた優秀な人達です。最大限、自分をアピールしましょう。インターン中に面接に呼ばれて、ぶっちゃけうちに来ない?みたいなことを言われてようやくというところです。
  7. 本選考は本選考できちんとやりましょう。ここまでできた人なら問題ないと思います。

これが就活です。GPA順に推薦書を取れて、上から就職が決まる時代は終わりました。20年前に。そういうことを言ってくる人がいたら老人です。耳を貸してはいけません。時間の無駄です。こんなのに左右されたくないということで起業したい人が沢山いるというのも理解できます。

以上を踏まえて、以下の要素に当てはまる人間は圧倒的に不利です。なんとか頑張って生きてください。

  1. 実家が太くない。すなわち、親が子供の教育に金を使えない。その結果、子供は幼少期に何かに特化した教育を受けたり、いろんな分野での教育機会を受けたりすることが出来ない。すると、↑の競争で不利になる。小学校の自由研究、遅くとも中学の部活動とかで大学の適当な実験レベルのものを出せるかどうかでしょうか。*11
  2. 陰キャ。説明不要。*12
  3. 田舎暮らし。そもそも↑の事情を知っている人が少ないです。いまだに良い大学+良い成績=良い企業と思っている大人の多いこと多いこと。*13

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*1:この制度を作った人間はシステムを作って社会をその方向に動かすのだという認識が足りていないのではないですか? それとも、諸々の利権が絡んだ結果、金にならない就活生の味方をするよりも金をくれる会社の味方をする方が良いということなんですかね。

*2:バブル崩壊時代に日本は基礎研究とかを捨てたので。外資は別で博士まできっちり取っていると評価されるらしいです。

*3:ただし、これに関しては先生から一声もらうために研究室でバトルするのか?ということもあるので良し悪しとしては五分五分ですかね。

*4:円安なので一人一回40万とかですかね

*5:後輩のためを考えればこれらはやるべきです。大学ランキングが上位に上がれば世間評価のベースがプラスになるので。

*6:中高で良い私立に行っていた場合はここでの授業は殆ど既知の内容だと思うのでそこまでつらくはならないと思います。ここでも不平等が出ていますね。

*7:運ゲー(良い査読者を引けるか(査読をストレス無く通すため))、時流に合った研究担当になったか(科研費とかいう防衛費の1/10よりも安いオワコン費を獲得するため。この国はもう国を挙げて研究をする気はないようです。実家に頼るか自分で資産を構築しましょう。))・薄給(どんなに出世しても500くらいが壁になるのかな。パーマネントな教授に着ければ700とかかな。給与の高い業界に入ればこのくらいは新卒で貰えます。本当に。)・任期付き(終身雇用なんてまず得られない。いつ首を切られるかのプレッシャーの中で成果を出さなければなりません。)

*8:みんな平等によーいどんで人生を開始出来るという戦後まもない時期の日本は終わりました。生まれつき人間は不平等です。国もここに無頓着です。↑にあてはまらない人はどんまいです。頑張って生きて下さい。安楽死制度は日本にはないので。

*9:これも技術立国とかいうものの終わりを象徴していますね。外部への企業プレゼンや商談の時には外面の良さを求められますが、ESでそれを課すということはすなわちそういう仕事が増加しているということです。企業内部で、あるいは外面の関係ない技術方面の学会などで、完結するような、研究職や技術職はもうそれほど必要ないということです。もう日本の企業には運と時間ゲーの研究に投資をして一攫千金を狙っていくだけの体力はないということです。それよりも既存の売れている商品をいかにまだリーチできていない市場にリーチしていくかの方が重要視されているということです。最近は発展途上国の発展によってフロンティアが無くなりつつありますが、リーチできる市場が無くなった後はどうするんでしょうね?研究に投資して、ブレイクスルーを生み出されば新しい市場を切り開いて独占できますがそれが出来ない企業はどうなっていくんでしょうね。研究って一朝一夕では成果出ないんですよ。知ってました??? 日本の社長はサラリーマン社長が多く、そういう人たちは自分の生活のために、会社の今後よりも自分が担当の時にいかに利益を増やすかが大切なので仕方ないと言えば仕方ないです。これを解決するのがベーシックインカムとかですが、いつになったら本格導入されるのやら。少なくとも、不平等社会の恩恵を受けた人間が自己責任論を唱えている限りは導入はありえないですね。後10年くらいして、前世代の貯金が無くなる and AIの次のIT複合のブレイクスルーが来た時にどれだけの企業が生き残れるかは見ものではあります。

*10:もし貴方に上とのつながりがあって、過去問ブースト出来るなら主席とかも全然狙ってよいです。私は先輩から過去問を貰う文化は教育資産への均等なアクセスを求める私の主張に反するので在学中やってません。ただし、主席を取っても、就活では陽キャ文化側の人間でないと印象悪いです。「私は、~~~を夢として持っています。貴方の企業ではまさに私の夢である~~~が出来ると考えています。私は自分の夢である~~~のためにはまず大学できちんと学ぶ必要があると考えました。そこで、日々の予習・復習をしっかりと行い、授業の終わりには必ず質問を1つするように心がけました。その結果、大学ではこのように良い成績を取ることが出来、夢に必要な技術・知識を身に着けることが出来ました。この身に着けた技術と知識を元に御社の~~~作りに貢献し、世界中の人々を幸福にしたいです」とかなんとか適当なことを言っても良くて五分五分でしょうか。(だってそういう企業行く人は成績は普通に主席クラスで+αで幼少期からの積み上げでなんかやってますから。これもおしまいなところで、企業は利益追求がお仕事なのであなたの生まれなんてどうでもいいんですね。現時点でより手広く優秀な人を確保したいんです。こんなことをやっているから治安がどんどん悪くなっていくんですがまぁ日本では国民性的にテロとか起きないので変わることもないでしょう。)

*11:反出世主義における起こりうる苦痛の1つだと思います。どうでも良いことですが、少なくともこれが解消されない限り私は永遠に反出世主義です。解決するためには教育資産への均等なアクセスが必要ですが、受験や教育がビジネスになってしまった今ではもう実現は無理でしょうね。知ってますか?資本主義を取り入れるべき分野と取り入れるべきではない分野があるんですよ??

*12:どうやって陽キャになるって?個性なので無理なのでは。ちなみに社会は人との関わりを必ず要求してくるので、社会で陽キャが支配的になるのは当たり前です。自分の主義主張を代理応答してくれるエージェントを持ったVR空間に全員が移住するとかしない限り。陰キャはFXとか株とかで勝ってそもそも就活ゲームに参加しないのがいいと思います。小学校低学年から模擬トレード、高学年、中学でお小遣いを元に本格トレード開始、高校で500万くらいの運用、大学中にアルバイトで運用資金を増やして卒業時に4000万円運用とか出来れば未来はあるんですかね。↑が条件なため、実家が太くない陰キャはおしまいです。子育てで子供が陰にならないようにしてあげましょう。いじめを受けましたとか、親からの虐待でアダルトチルドレンになりましたとかそういうの。

*13:技術立国を目指したいならそうあるべきですが、どうしてこうなってしまったんでしょうね。みんな大好きCIAによる米陰謀論とか、説としては面白いですよね。証明が限りなく困難ですが